社内報 第0043号
プチハリウッドを体験する 2005.6.7 発行

平々凡々たる毎日は、ふとした事で波乱含みの展開となります。
新聞の勧誘に来た拡張員との対峙。中毒症状を抑えながらの煙草の捜索。
ゴキブリの侵入に、こむら返りと、その要因は様々ですが、我らがバリ社長の「ふとした事」は
ポテンシャルが違います。ハリウッド並とも言える波乱含みの展開をご紹介しましょう。


 その日も、隣の部屋の住人がセットした
 目覚まし時計で目を覚ましたバリ社長。
 ふぐ刺しの如き、壁の薄さを誇る
 社長のアパートでも、この日の
 目覚ましは音量がケタ違いです。

 「これは警報じゃないか!?」

 寝ぼけ眼をこすりながら、部屋の外へ。
 廊下には三階建てのアパート中を
 揺さぶらんばかりの大音量で
 警戒音を発する警報機がありました。

 しかし、火災はおろか、誰一人として
 騒いでいる様子もありません。

警報機の中枢部分であろう、このマシーンを前に
バリ社長は冷静にアパートの大家に連絡します。

大音量の中、事と次第を説明すると現場確認もないまま
「停止ボタンがありますので停めて下さい」のひと言。
不信感を抱きつつも、指示通り停止ボタンを押す社長。

しかし、信じられない大音量は止まる気配がありません。
何を押しても、何を引いても一向に反応しない警報機。
社長も焦燥の色が隠せず、声を幾分、荒げながら
「担当を呼んでください」と電話を切りました。

人生の謎を解き明かしてきたバリ社長を嘲笑うかのように
けたたましく鳴り響く誤作動中の警報機。
社長は、そのカバーに付いたネジに目を向けました。

財布から10円を取り出し、さながら
リアル脱出ゲームの様相でネジを外し
カバーを開けるバリ社長。
その面前に広がるは、ハリウッドで
「赤い線と青い線…どっちを切るんだ!」
でお馴染みの複雑な回路。

「これに失敗すれば、街は一瞬にして…」
と、爆弾処理的なストーリーを構築中の
社長の携帯に電話が入ります。
相手は、警報機を設置した担当者です。

「そりゃまたスゴイ音ですね。」と
担当者は脳天気に返してきます。
「火報屋に連絡取ってるんですが、
五日市に居るようなんですよ。
私で良ければ行って何とかします。」

「何を悠長なことを!時間がないんだ!」
と言いたい気持ちをグッとこらえて
爆弾処理班を待つと決めた社長でしたが
やはり、巻き込まれ型ムービーの
主役と化した今、そんな事を
言ってる場合ではありません。

大音響の中、額の汗を拭いつつ、冷静に回線を見極めるバリ社長。
「これだぁ!」その刹那、社長は雄叫びと共に数多ある配線のうちの一本を引き抜きました。
ジリリリリリ!リ・・・。
なんと、社長の設定では、後2秒で爆発するはずだった警報機の音がピタリと止んだのです。

社長の設定では、エンドロール前の閉めのひと言を言わなければなりません。
「全く・・・これだけ大きな音なのに、アパートの住人、誰一人として気付かないとはな…。」
そう言い残し、哀愁と憂いを含んだ背中で部屋に戻るバリ社長。めでたくエンディングです。

ただ・・・平日の昼間に部屋に居るのは、ニートである社長を除いて誰一人いないですから。

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